広島国際アニメフェス 2016 にて、拙作が4本、上映されます!

2016年8月18日(木)〜 22日(月)に広島市の JMSアステールプラザ にて、「第16回広島国際アニメーションフェスティバル」が開催されます。
広島国際アニメフェスでは、毎回ある国を選び、その国のアニメーションの全体像が分かるような、大規模な特集を組むことになっているのですが、今年は何と「日本特集」。黎明期から現代まで、誰もが知る名作から埋もれた佳作まで、一挙に上映します。

そして、幸いなことに、私の作品も上映して頂けることになりました。しかも、4本も! もともと数十秒から1〜2分という超短編を中心に制作してきましたから、多めに紹介して頂けるのだと思います。ありがたいことです。

拙作の上映は、8月21日(日)15:20 〜 小ホール(多目的スタジオ)にて。「日本アニメーション大特集19:現代作家コレクション4」の4〜7番目です。以下の4作品が上映されます:

戦争の本質(2002年)
 1分29秒の反戦映画。最後に残るのは?

The Essence of War (戦争の本質) from Kotaro Sato on Vimeo.


私の “広島” デビュー作。広島 2004 の「平和のためのアニメーション」にて上映されました。嬉しかったなあ…。この頃は映画の作り方が良く分からず、絵も音も未熟でしたが、1人で全部作ったことに喜びを感じていました。
ちなみに、ペンネームで作ったのに、“広島” では本名で発表されてしまった、というエピソードも付いています。しかし、それをきっかけに、その後は本名で作品を発表し続けることになるので、それで良かったのだと思います。
この作品は、KROK国際アニメーション映画祭 2004 (ロシア、ウクライナ)の「コンペティション」にも入選しています。


虫眼鏡(2006年)
 近くの傷は、大きく見せる。
 遠くの傷は、ボカして見せる。
 ジャーナリストが、事実を見せる。
 侵略戦争、市民が止める。

Magnifying Glass (虫眼鏡) from Kotaro Sato on Vimeo.


広島 2010 では、コンペティションの国際選考委員を担当させて頂きましたが、その作品紹介コーナーである「インフォメーションBOX 2010 国際選考委員の作品」にて上映されました。
「戦争の本質」で描き足りなかったこと、軍国主義的な国家間の「対等」な戦争ではなく、一方的な侵略戦争についても描いておく必要性を感じ、制作しました。副題として「侵略戦争の本質」としても良いかもしれません。
この作品も、物語・映像・音楽のすべてを1人で作っています。・・・が、すみません、まだ細部に若干「迷い」が感じられますね。


レット・アウト(2012年)
 原発で作られた電気を使うと、作業員を原子炉へ近付けることになる。
 (ちなみに、コンセントのことを英語で「アウトレット」と言います)

LET OUT (レット・アウト) from Kotaro Sato on Vimeo.


2011年3月の東京電力・福島第一原発の事故が起きてから、原発の危険性について勉強しました。原子力発電は、事故が起きていなくても、作業員の被曝を前提とした発電方式であることを知り、驚きました。そして、これは一種の差別問題ではないか(電気を使う人が、電気を作る人=下請け作業員を被曝させている構造がある)と考え、作ったのがこの超短編(35秒)です。原発で発電している地域において、あなたは、コンセントに電源プラグを差し込むことができますか?
広島 2014 の「現代日本のアニメーション」にて上映。さらに、ブリスベン・アジア太平洋映画祭 2014 (オーストラリア)でも上映されました。


内的平和と外的平和(2016年)
 国内で激しく議論している国は、他の国に対して平和的に接する。
 国内で議論しない国(イエスマンばかりの国)は、他の国に対して暴力的に接する。

Internal Peace and External Peace (内的平和と外的平和) from Kotaro Sato on Vimeo.


上述の3本は、既に “広島国際アニメフェス” で上映されたことのある作品でしたが、これは新作です(選んで下さって、ありがとうございます!)。
内容的には、明確なストーリーがあるわけではなく、このパラドックスのような現象を繰り返し見せることで、観客に “気付いてもらう” という実験的な作品となっています。
前者と後者、どちらを選択することも可能なのに、現在は安易に後者へ流れている傾向がありませんか? 日本に限定した話ではありませんが、日本にも当てはまっているのが悲しいところです。むしろ本来は、前者のような行動様式(内部で激しく論争しても、外部には誰に対しても穏やかに接する)で振る舞うことが日本人の美徳だったようにも思うのですが…。
もともとは、インディ・アニフェスト 2015 という韓国・ソウルのアニメーション映画祭の「リレーアニメーション」用に制作したクリップでしたが、同映画祭の許可を得て、私・佐藤が担当した部分のみを抜き出して再編集し、1本の独立した映像作品にしたものです。上に掲げた3作品は完全に1人で作っていたのですが、この作品で初めてサウンドと音楽の制作を外部に依頼しました。担当して下さったのは、カナダ・モントリオールにあるサウンド制作会社で、「LET OUT(レット・アウト)」を気に入って下さった Audio Z さんです。イメージ通りのノリの良い曲で「さすが!」と感動しました。


日本のアニメーションの歴史を振り返る特集の中で、自作のアニメーションの歴史をも振り返ることになりそうです(笑)。
正直に言って、初期の頃の作品は「恥ずかしい」のですが、でも、この 2016年に、あの “広島” に選ばれたことにも意味があると思います。次の一歩を踏み出すための「通過儀礼」として、喜びも、痛みも、しっかりと目と胸に焼き付けておこうと思います。

それでは当日、会場でお会いしましょう!

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